新型コロナウイルスの影響によりテレワーク中心の生活を送っております関係で、自宅兼事務所の仕事スペースが手狭になってきたため、ちょっとお片付けをしておりましたら…
こんなものが出てきました。
どこからどう見てもバイク用のキャブレターで、確かDT50(2014年11月から2016年9月まで保有)のキャブレターをペン立てに加工しようと思って保管していたものです。
さすがにペン立てなんか作っている余裕はないのですが、せっかく出てきたので、以前にHP経由でご質問を頂いていた「キャブレターの油面調整」のお話を少し。
油面の調整とは、フロートチャンバーボディー内に満たされるガソリン量を調整すること。フロート本体の中央部にある金具の凸部を、上部もしくは下部に曲げて調節します。凸部の位置を調整することで、フロートの“上昇限界点”が変更でき、油面の位置が変更できるというわけです。
キャブレターからガソリンが漏れてしまう原因の多くが、油面の高すぎ。この場合、一般的にプラグがかぶるなど、“ガソリンが濃すぎる”という現象が現れるのが特徴。逆に油面が低すぎると、ガソリンが薄くなる傾向にあります。
キャブレターからのガソリン漏れは、フロートチャンバーボディーとキャブ本体の接続部に挟まれているパッキンの劣化、もしくは振動による接続ボルトの緩みも原因となる場合があります。
4ミニ.net(https://4-mini.net/custom/)より
油面調整 DT50の場合
DT50の場合は、キャブレターを逆さまに置いて、下の写真の赤線の間を測定して、基準値の範囲に調整します。
手元にサービスマニュアルが無いので、不確かな情報となりますが、確か基準値は19mm±1mmだったと思います
このキャブレターはと申しますと…
ドンピシャで基準値です。
もし基準値から外れていた場合は、フロートバルブ(ニードルバルブ)の支点になっている金具を曲げて調整する必要があります。
でも、普通に乗っていて油面が大幅にズレることなんて無いと思いますし、多少基準値から外れていたとしても、オーバーフローや息継ぎなどの症状が無ければ油面は下手に触らない方が良いと個人的には思います。
ちなみに、このキャブレターもバリバリにオーバーフローしていたものですが、原因は油面ではなく、先ほどの写真からも分かるように、フロートバルブの段付摩耗だと思います。
(当時はバイク屋さんのアドバイスでキャブレターを新品に交換しましたが、このキャブレターもフロートバルブを交換すれば、まだまだ使えそうです。)
油面調整 GAGの場合
せっかくついでに、先日オーバーホールして仮組していたGAGのキャブレターも再度バラしてご紹介したいと思います。
GAGは手元にサービスマニュアルがあるので、サービスマニュアルのとおりに確認していきます。
フロートレベルの状態(油面調整基準)の点検
★キャブレターをさかさまの状態でフロートチャンバを取り外す。
こんな感じですかね。
★フロートバルブアームをゆっくり下げる。
★フロートの油面調整用のプレートと、フロートバルブが接したところでフロートバルブアームを止める。
こんな感じになります。
★キャブレターボデーとフロートバルブアームの間の寸法を測定する。
★油面調整基準 23.4mm
とまぁ、こちらもほぼ基準値でした。
以上、今回はフロート位置を測定する形での油面調整方法をご紹介しましたが、実際には透明の燃料ホースをドレンにつないで実油面を測定するケース方が多いのではないかと思います。
いずれの方法で測定したとしても、調整方法は「薄い金具を微妙に曲げる」という何とも原始的かつ正解の出辛い方法なので…
出来ることならやりたくないですね!!
写真:DT50とGAGのキャブレター比較
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