また今年も税務調査が多い時期が近づいて参りましたので、皆様が気になる「税務調査」について、その内容を①チェックポイント、②進め方、③対応策の3回に分けてご紹介して参りたいと思います。
クルマ屋・バイク屋の税務調査は在庫管理が勝負です
クルマ屋さんやバイク屋さんに税務調査が入った際に指摘を受けることが最も多い項目は、在庫の管理状況です。
なぜ、在庫管理について指摘を受けるかと申しますと、在庫の金額というものは、自店内部の処理だけで調整できてしまうため「悪さ(利益調整や租税回避=脱税)」がしやすいのです。そして、税務署も「悪さ」をしているのではないか?という視点で税務調査を行いますので、意図的な「悪さ」でなくても、誤処理や管理不備などの指摘を受け、追徴課税されてしまうケースがとても多いのです。
悪意がなかったとしても、在庫の管理がずさんであれば、意図的な「悪さ」とみなされてしまう可能性もありますので、きちんと在庫管理を行い、正しい売上原価を計算するように努めることが重要となります。
税務調査でチェックされるポイント
それでは、調査官が税務調査を行う際には、具体的にどのような項目をチェックしているのでしょうか?
ここでは、特に重要となる3つのポイントについてご紹介しておきます。
1.計上漏れがないか
期末時点において在庫が網羅的に計上されているか否かは、必ずチェックされます。
特に注意が必要なのは、自店が採用している「売上計上基準(契約時・登録時・納車時)」と在庫管理との整合性です。
登録時に売上計上を行っているにも関わらず、契約後未登録の車両を在庫から除いてしまうなどといった誤処理には、くれぐれも注意しましょう。
2.取得価額は妥当か
例えば業者オークションで仕入れた車両が在庫として残っていたとします。
この在庫車両を計上する際には、車両代金だけでなくオークション落札料や陸送費、そして板金塗装代などの商品化費用も含めて取得価額として計上する必要があることはご存知でしょうか?
曖昧な処理では、必ず指摘を受けてしまいますので、正しいルールを把握して、税務に沿った処理を行うようにしましょう。
3.評価損の計上は妥当か
在庫に関する評価損の計上を行っている場合には、その妥当性については必ずチェックされます。
税法上は、在庫の評価損を計上することができる事由はとても少なくなっておりますので、評価損の計上を検討する際には、必ず顧問税理士に相談するようにしましょう。
以上、次回は「税務調査の進め方」についてご紹介したいと思います。お楽しみに。