先日、「盲導犬の里 富士ハーネス」を訪れた際に、実際に盲導犬の仕事や役割、訓練を行う様子を間近で見ることができる「盲導犬デモンストレーション」にも参加させて頂きました。
そこで今回は、この「盲導犬デモンストレーション」の様子とともに、盲導犬のお仕事や、街で盲導犬に出会ったときの注意事項などについて、ご紹介したいと思います。
盲導犬の3つの基本的なお仕事
盲導犬の基本的なお仕事内容には、「曲がり角を教える」「段差を教える」「障害物を教える」という3つがあって、これらの組み合わせで、周囲の状況などを「視覚障がい」を持った方に伝えているそうです。
曲がり角を教える
まず、曲り角を教えるというお仕事ですが、こちらの写真をご覧下さい。
一見すると、ただ単に曲り角で立ち止まっただけのようですが、盲導犬が少し左側を向いているのがお分かり頂けますでしょうか?
こうすることにより、手に持っている器具(「ハーネス」と言います)が引っ張られ、左側に進行可能な道があることが分かるのです。
段差を教える
街中を歩いていると、階段を始めとする数多くの段差があります。
これは、上り階段に差し掛かったときの写真です。
ご覧のとおり、盲導犬が1段目に前足を掛けた状態で止まり、段差に差し掛かったことを教えてくれています。
そして次に、下り階段に差し掛かったときの写真がコチラです。
先ほどとは違って、盲導犬が降り階段のギリギリのところで立ち止まっています。
さて、ここで1つの疑問が浮かびました。
盲導犬のお仕事内容のひとつである「段差を教える」という行動ですが、世の中には階段以外の段差もたくさん存在し、電車のホームなど、歩行者が下りることができない段差があった場合、盲導犬はどのような行動を執るのでしょうか?
なんと、下りられない段差があった場合には、「視覚障がい」を持った方が過って転落しないよう、盲導犬自らが盾となり進行方向を塞いでくれています。
写真では分かり辛いかもしれませんが、この時、盲導犬は、大人が足で押しても動かない程に、力強く踏ん張っていました。
盲導犬が小型犬ではなく、ラブラドール・レトリバーなどの大型犬が適任である理由はここにあったのですね。
障害物を教える
この「障害物を教える」というお仕事は、これまでの2つに比べると簡単なように思えますが、実際は、一番難しいお仕事だと感じました。
まずはコチラの写真をご覧下さい。
目の前の障害物(中央に置かれた3つのコーン)を避けただけなので、簡単なお仕事に見えますが、このとき、盲導犬はコーンとコーンの間隔を適正に捉えて、間を通過することができないと判断したからこそ、この障害物を避けるルートを誘導したのです。
ちなみに、3つのコーンのうち真ん中のコーンを取り去った状態では、左右のコーンの間を通過しました。
そして何より驚かされたのは、こちら。
これは、盲導犬が通行するのには十分な高さに障害物を置いた場合のデモンストレーションです。
白杖(はくじょう)を使って歩行されている「視覚障がい」を持った方というのは、常に足元で白杖を振って歩いているので、このような高い位置にある障害物に気付くことができず、顔などをぶつけて怪我をしてしまうケースが多いそうです。
例えば、路上駐車している宅急便トラックのサイドミラーなどは、顔をぶつけてしまうことが多いのだとか。
このような場合、盲導犬と歩行していると、どうなるのでしょうか。
お見事!
障害物の高さも把握して、「視覚障がい」を持った方が高い位置にある障害物にぶつからないように、安全な道を誘導しました。
いかがでしたでしょうか?
ここでご紹介した盲導犬のお仕事は、あくまでも基本的な内容です。
この他にも様々な訓練を受けて、「視覚障がい」を持った方を安全に誘導できるよう頑張っている盲導犬、本当に立派ですね!
写真:顎を乗せて椅子の場所を教えるのもお仕事のひとつです
街で盲導犬に出会った際の禁止事項
今回は、私が「盲導犬デモンストレーション」を通じて学んだ盲導犬のお仕事内容についてご紹介して参りましたが、皆様も、お仕事中に気をそらされることがあると、良いお仕事ができませんよね?
盲導犬も同じだそうで、街で盲導犬に出会った際には、お仕事の邪魔にならないよう、次の4つの禁止事項は必ず守るようにして下さい。
1.盲導犬に話し掛けない
2.盲導犬に触らない
3.盲導犬に食べ物を与えない
4.盲導犬の目をじっと見つめない
盲導犬のお仕事の邪魔をしてしまうと、「視覚障がい」を持った方の身に危険が及ぶことになります。私も気をつけますので、皆様もぜひ気をつけるようにして下さい。
募金活動にご協力ください
盲導犬の育成には財源の確保が必要であり、この財源の9割が、皆様からの募金によって成り立っています。
私たちOFFICE M.N GARAGEは、日本盲導犬協会へ盲導犬の育成資金を贈ることを目的とした募金制度『ヤマハナイスライド募金(YAMAHA NICE RIDE募金)』に賛同させて頂いており、皆様の「何か力になりたい!」という気持ちを、私たちが皆様に代わって日本盲導犬協会へ届ける活動を行っております。
一人ではできないことでも、
バイクファンの力を集結すれば
社会に役立つ活動が出来るのではないか…
この考え方こそが、ヤマハナイスライド募金(YAMAHA NICE RIDE募金)の始まりです。
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私たちが「公益財団法人 日本盲導犬協会」に届けさせて頂きます。
もちろん、募金のお金は私たちが負担します。
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