カワサキZ系やホンダCB系など、貴重な絶版車、旧車を海外から輸入して整備・販売されているバイクショップは個人規模のショップから大手販売店まで、数多く存在します。
私自身、世界中に輸出された名車を再び国内で蘇らせることは非常に素晴らしいことだと考えていて、レストアベース車やノーマル極上車、現状販売やレストア販売など、お店ごとに特色はあれども、このようなビジネスを行っている方達を積極的に応援したいと思います。
そこで今回は、海外からバイクやパーツなどの商品を輸入した場合の経理処理について、その概要をご紹介したいと思います。
輸入取引と経理処理
まず、一般的な輸入の流れについて確認しましょう。
①商品を海外業者から仕入れ、代金を支払う
②仕入先業者からからインボイスが届く
③商品が日本へ到着する
④税関で輸入申告をし、関税や消費税を納税する
⑤輸入許可通知書が発行され、商品を引き取る
ただし、通常は通関業者（輸入代行業者）に税関手続きなどを依頼しているかと思いますので、②から⑤については、通関業者が行い、④の関税や消費税については、代行手数料とともに、通関業者に支払うこととなります。
それでは、海外の仕入先業者への支払時と、通関業者への支払時それぞれの経理処理について見てみましょう。
海外の仕入先業者への支払時
例えば、アメリカの業者から商品を1,000,000円で仕入れて、代金を振り込んだとします。
＜仕訳例＞
借：輸入仕入高 1,000,000 ／ 貸：普通預金 1,000,000
特に論点はありませんが、輸入仕入と国内仕入の両方を行っている場合には、「輸入仕入高」と「国内仕入高」という２つの勘定科目を使い分けると良いでしょう。
通関業者への支払時
後日、通関業者から輸入許可通知書とインボイスが届き、下記の内容の請求があったとします。
・代行手数料 250,000円
・輸入消費税（国税） 94,500円
・輸入消費税（地方消費税） 25,500円
＜仕訳例＞
借：支払手数料 250,000 ／ 貸：普通預金 250,000
借：仮払消費税等 94,500 ／ 貸：普通預金 94,500
借：仮払消費税等 25,500 ／ 貸：普通預金 25,500
ポイントは、輸入消費税を適正に把握するために、輸入消費税（国税）と輸入消費税（地方消費税）は分けて仕訳処理する必要があるという点です。
なお、上記仕訳例は税抜経理を採用している事業者を前提としてご紹介しておりますが、税込経理を採用している場合には、消費税分についても「輸入仕入高」の勘定科目で仕訳処理することになります。
輸入取引と会計ソフト入力
今回は概要のみご紹介しましたが、会計ソフトに輸入仕入取引を入力する際には、ちょっとしたコツがあります！
一度、コツを掴んでしまえば決して難しい処理ではありませんが、誤った入力をしていて、輸入消費税分が申告時に反映されず、消費税を納めすぎているケースも散見されます。
輸入仕入に関する経理処理や消費税の取扱いについてご不明な点やご不安がある方は、気軽にご相談下さい。
