ひとことで「中古車販売店」といっても、最近では店舗や在庫車を持たないオークション代行型や仲介(ブローカー)型などの開業形態も目立って参りましたが、今回は、展示場に在庫車両を展示して店頭販売を行う営業形態を前提として、中古車販売店を開業する際の「お金」のお話をしたいと思います。
中古車販売店を開業する際の設備資金
新たに中古車販売店を開業する際にまず必要となるのは、設備資金です。
当面は整備業務を外注するということであれば、ある程度の工具セットと備品類(プライスボード、アーチ等の販促用品、洗車関連用品など)、そしてパソコンや複合機などの事務機器さえあれば、中古車販売店は運営できますので、設備資金の大きさは整備工場を併設するか否かで大きく違ってきます。
また、これらの設備資金というものは、見積書などによって、具体的な金額を把握することができますので、資金計画は立て易いといえます。
これから開業しようとしている中古車販売店に必要なものをリストアップして、それぞれの業者から事前に見積書を取るようにしましょう。
設備資金の注意点①
展示場の舗装や事務所・商談スペースの設営など、金額が大きくなる項目は、必ず複数の業者から見積書を取ること
設備資金の注意点②
展示場を賃借する際の保証金などは高額となる場合が多いので、設備資金計画に加えることを忘れないこと
中古車販売店を開業する際の運転資金
運転資金というのは、通常の経営を行う際に必要となる資金のことで、一般的な小売業であれば、商品の仕入代金、人件費、店舗家賃、光熱費、広告代金といった費用の支払資金を指します。また、売上入金サイクルが仕入支払サイクルよりも遅い場合の、それを補うための資金なども運転資金に含まれます。
中古車販売店の運転資金も基本的な考え方は、一般的な小売業と同じですが、大きな違いが1つあります。それは、在庫車両を確保するための資金が必要になる点で、これは開業時だけでなく、日々の店舗運営において、常に資金計画の中軸となる項目です。
また、開業時に限っていえば、商売がある程度軌道に乗るまでは、いきなり売上が上がる訳ではないので、その分の運転資金も事前に用意しておく必要があります。
それでは、新たに中古車販売店を開業する場合には、どれくらいの運転資金を用意する必要があるかというと、開業しようしている店舗の規模や取り扱う車種単価にもよりますが、最低でも、月額固定費の6ヶ月分と、開業時在庫車両の仕入代金との合計額は準備しておく必要があるでしょう。
中古車販売店を開業する際の自己資金と借入金のバランス
店舗型の中古車販売店を開業する際には、設備資金と運転資金が必要となる訳ですが、これら全てを自己資金で用意するのは至難の業です。もし自己資金を用意することが困難な場合には、金融機関などによる開業融資を活用することは決して悪いことではありません。
しかし、開業融資を活用する際には、最低でも4割以上の自己資金を準備することをお勧めします。一般的には3分の1以上などといわれていますが、4割未満で開業に踏み切ると、後の資金繰りで大変な苦労をする可能性が高くなります。
以上、自分の店を持つことは大変なことですが、それ以上の「やりがい」や「達成感」があるものです。
私たちは、これから開業しようとする方を積極的に応援しており、事業が軌道に乗るまでは、税理士報酬を減額させて頂いておりますので、開業を予定されている方や、開業したばかりの方は、ぜひご相談下さい。