税金雑学

ガソリン税の二重課税問題と暫定税率


前回の記事で、ガソリン価格の高騰について記載しましたが、今回は、「税金雑学」ということで、ガソリン税と消費税の二重課税問題について触れてみたいと思います。
まず、皆様が普段支払っている「ガソリン代」の計算方法についてご紹介します。
(便宜上、石油税など考慮外としております。)

<ガソリン代(1ℓあたり)の内訳>
(ガソリン本体価格+ガソリン税53.8円)×消費税 8%

何か違和感がありませんか?
まず驚きなのが、1ℓあたり53.8円ガソリン税というものが取られていることです。
そして、何より見逃してはならないのは、最後に乗じられている消費税8%が、ガソリン本体価格だけでなく、ガソリン税にも課税されている事実です。
税金にさらに税金を課税するということは、私たち税理士の常識では考えがたいことなのです。

ちなみに、ガソリン税とは「揮発油税及び地方揮発油税」の通称なのですが、53.8円の内訳は次の通りとなっています。

・本則税率分の揮発油税   24.3円
・本則税率分の地方揮発油税  4.4 円
   【 本則税率分合計  28.7円 】
・暫定税率分の揮発油税  24.3円
・暫定税率分の地方揮発油税  0.8円
   【 暫定税率分合計  25.1円 】

ここでまた見慣れない言葉が出てきました。「暫定税率」とは何でしょう?

ガソリン税の暫定税率とは、道路整備の財源不足を補う為に1974年から暫定的に導入された上乗せ分の税金で、再延長を繰り返し現在もなお続いています。2008年3月末においては、暫定税率が延長されるか否かが与野党の対立により決まらず、一旦期限切れとなったあと、同年5月1日に復活したことで、ガソリンスタンドが大混乱になったことも記憶に新しいところです。(この時の延長で、2018年3月末まで延長されました。)

もちろん今更、二重課税だ!暫定税率だ!と騒ぎ立てても何も始まらないことは重々承知しておりますが、まずは皆様にもガソリン代に関連する税金の仕組みを知って頂きたく記事を書かせて頂きました。


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