お待たせしました!皆様お待ちかね!?補修作業のご紹介でございます。
細かい作業を1つ1つご紹介することは困難ですが、実際の作業手順に従い、また特に症状が酷かった運転席側の作業過程写真を交えつつ、ご紹介して参りたいと思います。
手順1:錆を削る
錆びて酸化してしまった鉄部を削り落す作業となりますが、可能な限り鉄部を残しつつ、強度的に鉄部分を残した方が良い部分なども見極めつつの作業となります。この辺りは、経験が物を言う世界となりますね。
まずは、ざっくり錆を落とした状態の写真です。
ここから、更に錆を削っていきます。
まぁ…「大穴」以外の何ものでもありませんね!笑。
手順2:転換剤を塗布する
錆を削った切除部分と強度的に鉄部分を残した部分に関しては、錆を転換する(錆の進行を止める)転換剤を塗布して処理します。
手順3:FRPによるフロア切除部の成形
小さな錆穴程度であれば、直にFRPを貼り込む方法で補修を行うそうですが、今回は錆の範囲が広く、大きく切除する事を余儀無くされましたので、予めFRP樹脂で床板を作成する方法を採用することとなりました。
*FRP床板:マット1・ クロス1の2プライ(2層)
手順4: FRPによるフロア補修
手順3で作成したFRP床板をフロアの切除部分に当てて、その上からFRPを張り込んでフロア全体を補修していきます。
また、通常は平に貼ってしまう事の多いFRPですが、今回は出来る限り元の床の形(凹凸)を再現して作成して頂きました。
少し分かり辛いので、もともと大穴が開いていた部分を赤く囲っておきますね。
*室内側:マット1・クロス4の5プライ(5層)
*シャシー側:マット1・クロス3の4プライ(4層)
手順5:フロアの塗装
今回の補修箇所は、内張りの下に隠れてしまう部分なので、何色でも良いと言えば良いのでしょうが、室内側はサフェーサーを入れてから、ボディー色のイエローで塗装しました。
また、下回り(シャーシ側)はクッション性のあるアンダーコートによるブラック塗装での処理としました。
いかがでしたでしょうか?
FRPによるフロア補修は、そもそも「鉄」と「FRP」という違った素材を張り合わせているので、その「ねじれ方」の違いなどから、いつかはFRPが剥がれてきてしまいます。
しかし今回は、ご覧頂いた様にかなりキッチリと施工して頂きましたので、当面の間…というよりは、このバルケッタが元気に走っている間は、間違いなくその剛性を保ってくれることでしょう。
さて、これまで6回にわたって更新して参りました「バルケッタ フロア補修物語」ですが、いよいよ次回の「第7話:附随作業」をもって、完結とさせて頂きます。
今しばらく、お付き合い下さい。