今回は、前回からの続きで、法人経営における経費活用法の具体例をご紹介します。
自動車・バイク業界（中古車屋さん、自動車・バイク整備工場さん、板金塗装屋さん等）の方のみならず、他の業界の方にも当てはまる内容となっておりますので、ぜひご参考下さい。
具体例４：役員社宅の活用
個人事業主の場合、自宅に係る経費は家事関連費として経費算入することができませんが、法人の場合には、きちんと仕組を作って、自宅を「役員社宅」として取り扱うことによって、その一部を経費にすることができます。
この「役員社宅」の活用については、借家の場合、持ち家の場合、店舗（事務所）兼自宅の場合など、状況に応じた仕組作りが重要となります。
具体例５：生命保険の活用
個人事業主の場合には、支払った生命保険料は、事業の経費とは認められず、所得税を計算する際に生命保険料控除として取り扱われるのですが、この生命保険料控除には上限が設けられていて、最高4万円（個人年金保険料などと合わせると最高で12万円）しか、控除することがきません。
一方、法人の場合には、契約内容や契約期間などによって、保険料の全額が経費になるものや、保険料の半分が経費になるものなど、様々な商品の中から、その法人の状況や目的にあった商品を選ぶことにより、節税効果、保障効果、貯蓄効果を得ることが可能となります。
「何となく保険って嫌だなぁ…」と思われている方も多いかもしれませんが、保険の専門知識と税金の専門知識が合わされば、期待以上の効果を生むケースが多いのも事実です。
具体例６：退職金の活用
個人事業主の場合には、自分自身に退職金を支給するという概念は無く、これは専従者に対しても同じです。
しかし、法人化することによって、退職金の支給が認められ、もちろんその退職金は経費算入することが可能となります。
（但し、所定の手続きを踏まない場合や、不相当に高額な場合を除きます。）
また、退職金を受け取った個人側においても、「退職所得控除」や「分離課税制度」といった有利な税制の適用がありますので、活用しない手はありません。
なお、この「退職金の活用」は、前述の「生命保険の活用」とセットで行いますと多大な効果を発揮しますので、導入をご検討の方は、ぜひご相談下さい。
以上、２回に亘って「法人経営における経費活用法」の具体例をご紹介して参りましたが、「知っている人が得をして、知らない人は損をする」という事態に陥てしまわぬ様、それぞれの状況に応じた活用方法で、しっかりと経営のハンドルを握って頂ければと思います。
税金は正しく納めるものであって、無駄に納めるものでは無い！ということですね。
