軽い気持ちで書き始めた「中古自動車と節税&税務調査対策」に関する記事ですが、書き始めると色々と皆様にお伝えしたいことが出てきて、結局、3部構成となってしまいました…。
手前味噌ですが、他では聞けない様な有用な情報が詰まっておりますので、ぜひ【前編】、【後編】、【続編(今回の記事)】の全てをご覧頂ければと思います。
さて、私の悪いクセで、ついつい前置きが長くなってしまう傾向にあるので、今回は早速本題に入りたいと思います。
社用車の名義の話
これまで「社用車(中古車)」を活用した節税についてご紹介してきましたが、やはり「社用車」ですから、車検証の名義も法人である必要があるのでしょうか?
答えは「NO」です。
税務上の取扱いは、「形式(名義)」より「実態(実際の用途)」が優先されますので、個人名義となっている車両でも、業務用で使用するのであれば、社用車として減価償却費を経費にすることができます。
もちろん、社用車ですから、減価償却費だけでなく、自動車保険料やガソリン代、高速代なども経費となりますので、場合によっては、かなり大きい経費が計上できることになります。
しかし、「形式(名義)」より「実態(実際の用途)」が優先されるということは、仮に名義が法人であったとしても、実際の用途がプライベート用であった場合には、当然経費として認められませんので注意が必要です。
エム・エヌガレージが推奨する方法
私たちの事務所に「社用車」に関するご相談があった場合、もちろん業務用として利用する車であることが前提となりますが、次のとおり推奨しております。
【新しく社用車を買う場合】
→法人名義で購入
【個人が持っている車を社用車とする場合】
→まず、自動車売買契約書を作成し、時間を見つけて法人名義に変更する
「なんだ、結局のところ法人名義にする必要があるじゃないか!」と思われた方も多いかと思いますが、税務調査において業務用であることを客観的に証明することは容易ではありません。そこで、形式面も整備しておくことで、税務調査の際に社用車であることを説明しやすくなりますので、この様に推奨させて頂いている次第です。
なお、「法人名義にすると自動車保険が高くなった」というお声を耳にすることがございますが、「節税」というものは、視野を広くもって、様々な事項のバランスを見ながら行う必要がありますので、書籍やネットから得た情報だけで実行せず、必ず顧問税理士などに相談してから行うようにして下さい。
もし、顧問税理士が節税に消極的な様でしたら、税務セカンドオピニオンとして、私たちにご相談頂ければ、喜んで対応させて頂きます。
社用車の売買金額の話
個人が持っている車を社用車とする場合には、個人から法人に車を売却することになる訳ですが、いったい「いくら」で売却すれば良いのでしょうか?
正解は「時価」です。
そう、高級な寿司屋さんの壁にかかっているアレです。
税務的な表現を使うとすると、「不特定多数の当事者間で自由な取引が行なわれる場合に、通常成立すると認められる価額をいう」となりますが、何だか良く分からないので、「売りに出したら売れる金額」と覚えておいて下さい。
一部の書籍やホームページ上では、「未償却残高(減価償却をした後の残りの金額)で売買しても問題がない」と書かれていることもございますが、これは税法を誤って解釈しているものと私たちは考えます。
税法の詳しい解釈についての説明は割愛致しますが、少なくともインターネットや中古車雑誌が普及している現代においては、税務署サイドも適正な時価を把握できる立場にあるので、いい加減な金額で売買してしまうと税務否認されてしまいます。
以上、ここには書けない内容もまだまだございますので、名義の話、売買金額の話など、気になることや詳しく聞いてみたいことがございましたら、気軽にご相談下さい。