インボイス制度や電子帳簿保存に対応するため、色々とシステムの導入を検討されている企業も多いと思います。
そんなとき、業者さんから
「うちの製品は●●補助金の対象ですよ!」
という提案を受けることがあります。
各種補助金や助成金に関する要件や採択率などの説明は割愛しますが、晴れて補助金や助成金を受け取った場合、そして補助金や助成金を活用して固定資産などを購入した際は、どのように処理すれば良いのでしょうか?
補助金や助成金を受け取って固定資産を購入した場合の会計処理
例えば、補助金を50万円受け取って、100万円の固定資産を購入したとします。
まず、補助金を受領した際には、
[ 現預金 50万円 / 補助金収入 50万円(特別利益) ]
といった具合に、補助金を特別損益の部に計上すればOKです。
次に、固定資産を取得した際には、
[ 固定資産 100万円 / 現預金 100万円 ]
といった具合に、通常の固定資産取得と同じ処理でOKです。
固定資産は減価償却によって費用化される訳ですが、この100万円の固定資産は、年間20万円ずつ5年間で減価償却をするものと仮定します。
補助金収入が50万円 ___φ(。_。*)メモメモ
減価償却費が20万円 ___φ(。_。*)メモメモ
差引すると…30万円の黒字 !?(゚〇゚;)エッ??
な~んてことになってしまうと、補助金に対して税金が課税されてしまうので、補助金の効果が半減してしまいますね…。
でも、ご安心下さい。
そのようなことにならないよう、我が国の税制では「圧縮記帳」という制度が設けられています。
圧縮記帳とは?圧縮記帳の会計処理
圧縮記帳とは、国庫補助金や火災による保険金などの給付を受けて固定資産を購入した際、その購入価額(取得価額)から補助金等の額を控除する処理方法です。
補助金等の収益を固定資産の取得価額から減額し、相手科目を「固定資産圧縮損」として損失計上をすることで、その年の税負担を減らす効果があります。
圧縮記帳は、補助金などの収益に課税されてしまっては元も子もない!という観点から設けられた制度なのです。
はいっ!意味不明ですね。
百聞は一見に如かず!ということで先ほどの事例で仕訳を示すと、こんな感じになります。
[ 固定資産圧縮損 50万円(特別損失) / 固定資産 100万円 ]
補助金収入の50万円分だけ固定資産の取得価額を減らしてあげて(貸方)、その相手科目を「固定資産圧縮損(借方)」として計上します。
そうすることで、「補助金収入」と「固定資産圧縮損」が相殺されてプラマイゼロに!
100万円で購入した固定資産の取得価額は「100万円-50万円」と圧縮されて50万円となります。
毎年の減価償却費を計算する際には、圧縮後の取得価額を基に行うことになりますので、注意が必要です。
話せはヤヤコシイ内容ですが、仕訳でみると非常に単純な処理となりますので、補助金を受け取った方は、ぜひ圧縮記帳の適用をご検討下さい。