税金雑学

還付金詐欺などの特殊詐欺被害に遭った場合の損害は税金の控除になるのか?


このサイトでも、国税局の職員を装った還付金詐欺に対して、何度か注意喚起を行って参りましたが、実際にそのような特殊詐欺に遭ってしまった場合、税務上の救済措置を受けることができるのでしょうか?

その答えは、「雑損控除」という規定の中にあります。

以下、国税庁タックスアンサーより引用です。

災害や盗難などで資産に損害を受けたとき(雑損控除)

対象税目

所得税

概要

災害または盗難もしくは横領によって、下記の「雑損控除の対象になる資産の要件」にあてはまる資産について損害を受けた場合等には、一定の金額の所得控除を受けることができます。
これを雑損控除といいます。

(注)雑損控除とは別に、その年の所得金額の合計額が1,000万円以下の人が災害にあった場合は、災害減免法による所得税の軽減免除があり、納税者の選択によりどちらか有利な方法を選べます。

雑損控除の金額

次の(1)と(2)のうちいずれか多い方の金額です。

(1) (損害金額+災害等関連支出の金額-保険金等の額)-(総所得金額等)×10%

(2) (災害関連支出の金額-保険金等の額)-5万円

(注1)「損害金額」とは、損害を受けた時の直前におけるその資産の時価を基にして計算した損害の額です。

「損害金額」については、災害により被害を受けた住宅や家財、車両の損失額の「合理的な計算方法」で計算することができます。詳しくは、こちらをご覧ください。

また、損害を受けた資産が減価償却資産である場合には、その資産の取得価額から非業務用資産として計算した減価償却費累積額相当額を控除した金額を基礎として損害金額を計算することもできます。

(注2)「災害等関連支出の金額」とは、次のような支出をいいます。

① 災害により滅失した住宅、家財などを取壊しまたは除去するために支出した金額など

② 盗難や横領により損害を受けた資産の原状回復のための支出など

(注3)「保険金等の額」とは、災害などに関して受け取った保険金や損害賠償金などの金額をいいます。

保険金等の額は、まず、損害金額から差し引き、保険金等の額が損害金額を超える場合には、災害(等)関連支出の金額から差し引きます。

(注4)「災害関連支出の金額」とは、上記(注2)①の金額をいいます。

対象者または対象物

雑損控除の対象になる資産の要件

損害を受けた資産が次のいずれにも当てはまること。

(1)資産の所有者が次のいずれかであること。

イ 納税者

ロ 納税者と生計を一にする配偶者やその他の親族で、その年の総所得金額等が48万円以下(令和元年分以前は38万円以下)の方

(2)棚卸資産もしくは事業用固定資産等または「生活に通常必要でない資産」のいずれにも該当しない資産であること。

(注)「生活に通常必要でない資産」とは、例えば、別荘など趣味、娯楽、保養または鑑賞の目的で保有する不動産(平成26年4月1日以後は同じ目的で保有する不動産以外の資産(ゴルフ会員権など)も含まれます。)や貴金属(製品)や書画、骨董など1個または1組の価額が30万円超のものなど生活に通常必要でない動産をいいます。

損害の原因

次のいずれかの場合に限られます。

(1)震災、風水害、冷害、雪害、落雷など自然現象の異変による災害

(2)火災、火薬類の爆発など人為による異常な災害

(3)害虫などの生物による異常な災害

(4)盗難

(5)横領

なお、詐欺や恐喝の場合には、雑損控除は受けられません。

手続き

申告等の方法

確定申告書に雑損控除に関する事項を記載するとともに、災害等に関連したやむを得ない支出の金額の領収を証する書類を添付するか、提示してください。

なお、損失額が大きくてその年の所得金額から控除しきれない場合には、翌年以後(3年間が限度)に繰り越して、各年の所得金額から控除することができます(雑損控除は他の所得控除に先だって控除することとなっています。)。

また、給与所得のある方について、平成31年4月1日以後、給与所得の源泉徴収票は、確定申告書への添付または確定申告書を提出する際の提示が不要となりました。ただし、確定申告書を作成する際には引き続き給与所得の源泉徴収票が必要となりますので、税務署等へお越しになる際には忘れずにお持ちください。

申告先等

所轄税務署

盗難や横領が対象になって、詐欺や恐喝が対象にならないというのは如何なものでしょうか…。

時代の変化と共に税制も正しく変化し、真面目で頑張っている人が報われて、悪い事をしている人が罰を受ける公平な世の中になることを切に願います。


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