アニメ「スーパーカブ」の主人公である小熊さんは、夏休みのアルバイトで稼いだお金を使って排気量125cc以下のバイクに乗車できる「小型限定普通二輪免許」を取得。
自身が乗るスーパーカブをボアアップして原付二種登録に変更しました。
まぁ、このこと自体は良くある話なのですが、そのボアアップの方法というのが少し特殊(昔はあたりまえ?)でした。
純正オーバーサイズピストンによるボアアップ
小熊さんは、市販のボアアップキットではなく、純正オーバーサイズピストンを使用し52ccに排気量変更しました。
オーバーサイズピストンとは、補修用としてメーカーが製造しているもので、これを内燃機屋さんでボーリング加工してもらったシリンダーに組み込むことで、排気量が少しアップして52ccになるという訳です。
昔は現代のような「使い捨ての時代」とは異なり、純正シリンダーも補修しながら使う前提だったのでしょうかね。
いずれにしても、カブエンジンのオーバーサイズピストンは現代では入手することはできませんし、内燃機屋さんの外注工賃よりボアアップキットの方が安価なので、ボアアップが目的ということであれば、市販品のボアアップキットを使った方が余程安上がりです。
そもそも好き好んで52cc化を目指す人はいないでしょう。
しかし、30km/hの速度制限や二段階右折の煩わしさから解放されることだけが目的の場合には、52cc化にもメリットがあります。
それはピストンとシリンダー以外は基本的に「そのまま」使えるということです。
むやみに排気量を上げてしまうと、
・クラッチ強化
・オイルポンプ交換
・キャブレター交換
・ヘッド交換
・マフラー交換
・オイルクーラー取付
・足回り強化
・ブレーキ強化
といった具合に、どんどん沼にハマっていきますから、結果的に75ccや88ccへのボアアップより52cc化の方が安上がりになることもあるでしょう。
写真:50ccピストン&シリンダーと75ccピストン&シリンダーの比較
まぁ、排気量アップの目的にもよりますが、バランスを重視するのであれば75cc+クラッチ・オイルポンプ強化といった仕様が無難かな…と個人的には思います。