今まで保険関連の売上に係る消費税の取り扱いについては何度かご紹介したことがありますが、今回はディーラ系の販売店さんから質問を受けることが多い「メーカー絡み」の売上に係る消費税の取り扱いついて書いていきたいと思います。
シチュエーションとしては、お客様の車両を点検・修理した際にメーカーから売上金が入るケースです。
何となく「保険」とか「保証」という言葉が絡んでくると消費税は「非課税」という印象を持ってしまいがちですよね??
これはおそらく、消費税法第6条に規定する非課税項目の中に
・信用の保証としての役務の提供
・保険料を対価とする役務の提供
という具合に「保証」とか「保険」とかいうキーワードが出てくるため、惑わされしまっているのだと思います。
でも、冷静に考えてみて下さい。
皆様が行った役務の提供は、「信用の保証として」でもなく「保険料を対価とする」でもなく、自動車の点検整備です。
お客様から依頼を受けて、お客様に対して、自動車の点検整備(修理)を行い、その代金をメーカー(保険会社)から受け取ったに過ぎません。
つまり、消費税の課税対象となる「4要件」について考えていけば、自ずと答えは出るのです。
消費税の課税4要件
1.国内において
役務提供の場合の国内判定は、役務提供地で行います。
国内にある整備工場で点検整備を行っている訳なので、要件を満たします。
2.事業者が事業として
これも自動車整備業を行う事業者が、事業活動の一環として行う点検整備なので、要件を満たします。
3.対価を得て行う
お客様からではなく、メーカーから対価を得る形となりますが、問題なく対価性がある取引なので、要件を満たします。
4.資産の譲渡 及び 貸付け 並びに 役務の提供
一般的な役務の提供に該当するので、要件を満たします。
つまり、リコール・メーカー保証などの点検整備(修理)売上に係る消費税は「課税売上」ということになります!
輸入車(海外メーカー)の場合
海外メーカーから直接「保証料」が入金される場合、海外取引なので消費税はかからないのでは!?
というご意見を頂いたこともありますが、前述のとおり、役務提供の場合の国内判定は「役務提供地」で行いますので、今回のケースでは国内メーカーか海外メーカーかで、取り扱いが変わることはありません。