自動車業界の税務ポイント

自己資金ゼロで車屋(中古車販売店)は開業できるのか!?


税理士事務所を開業して13年。

お蔭様で全国各地から様々なご依頼・お問い合わせを頂いておりますが、

車屋を開業しました!

より

車屋を開業したいです!

という内容のお問い合わせの方が割合としては多い印象です。

そこで今回は、新たに車屋を開業される際に気になる「自己資金」について、考えていきたいと思います。

開業時の自己資金の重要性と目安

新規に車屋を開業しようとする場合に、どれだけの自己資金が用意できるかは、借入などその他の資金調達との兼ね合いもあり、とても重要なポイントとなります。

具体的な自己資金の目安は、一般的には開業資金総額の3割から5割程度と言われていますが、車屋の場合は運転資金が大きいことを考慮しても「最低3割程度」は用意したいところです。

一定の自己資金を用意すべき理由としては、もちろん開業後の資金繰りをスムーズにするためではありますが、それ以外に、創業融資の優遇制度の適用要件に自己資金割合が設定されていることが多いという理由もあります。

お一人で車屋を開業する場合の一般的なケースとしては、運転資金として2,000万円、あとは設備資金として数百万円、といった感じでしょうか。

設備資金は一旦無視するとして、運転資金2,000万円を全額借り入れ(例えば、政策金融公庫から1,000万円、保証協会の制度融資で1,000万円)、5年で返済すると仮定した場合の年間返済額は「400万円+金利」になります。

これを自身の生活のための役員報酬をしっかり取って、税金も払った後の利益で安定して賄うというのは、事業が軌道に乗るまでは少し不安が残ります。

一方、例えば3割の600万円を自己資金で用意した場合、借入総額は1,400万円になるので、年間返済額は「280万円+金利」です。

まだ先ほどよりは安心感のある金額ではないでしょうか。

自己資金ゼロでも開業可能か?

自己資金は「本気度」を表すと言われています。

融資を受ける際に、政策金融公庫や保証協会、金融機関などが自己資金の大きさを重視するのは、その人の「本気度=信用」を見るためです。

勿論、自己資金ゼロでも開業すること自体は可能です。

しかし、誠に失礼ながら

これまで仕事をしてきた中で自己資金を用意できなかった人

自己資金ゼロで開業に踏み切るという判断を下した人

そのような人がライバルの多い車屋業界で成功していくとは私は思えません。

ただでさえ開業当初というのは自己アピールをして信用を得ることが難しい中、最大のアピール手段である自己資金がゼロでは、前途多難、お先真っ暗です。

せっかく人生を賭けて開業する訳ですから、私は皆様に絶対に成功して欲しいです!

よって、自己資金ゼロで開業しようという相談があったとき、私は全力で否定しています。

親族からの資金調達は自己資金?

親族や知人などから資金協力を得た場合、この資金は厳密には自己資金にはなりません。

これらの資金協力が「無利息」で「ある時払いの催促なし」の場合、金融機関によっては自己資金と見做すケースもあるようですが、返済義務の無い「贈与」に該当しない限りは、やはり自己資金とは分けて考えるべきです。

また、不要な金銭トラブルリスクを回避するためにも、たとえ兄弟などの近い親族であっても両親以外からの資金協力はオススメできません。

いくら親族や知人などから資金協力を得たからと言って、

これまで仕事をしてきた中で自己資金を用意できなかった人

という部分では、「本気度=信用」が低いと思われても仕方がないと思います。

本気で車屋を開業したい!

そして成功したい!

と強く思うのであれば、開業の事前準備と並行しながらコツコツと自己資金を貯めて、満を持して開業に踏み切って頂きたいです!

そして、そのような「本気」の方を私たちは積極的に応援しています!!


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