今からちょうど5年前(2017年6月14日)に、保険修理に関する記事を書きました。
お蔭様でこの記事は、このサイトでも一二を争う人気記事のようで、何かとお問い合わせを頂いております。
その中で特にご要望が多かったのが、
免責がある場合の経理処理を教えて欲しい!
という内容でした。
そこで今回は、簡単な事例を使って、保険修理で免責がある場合の経理処理についてご紹介させて頂きます。
保険修理に係る基本的な考え方などは、上記リンク先の記事でご紹介させて頂いておりますので、まずはそちらをご覧になってから、以下をお読み頂ければと存じます。
免責がある場合の保険事故事例
自損事故を起こしてしまい、鈑金修理費用が30万円でした。
幸いにも車両保険(免責5万円)に入っていたので、5万円を鈑金修理工場に支払って、後は保険会社にお任せすることにしました。
鈑金修理工場の経理処理
①請求書発行時
売掛金30万円/鈑金売上30万円(課税売上)
②免責金額受領時
現預金5万円/売掛金5万円
③保険金入金時
現預金25万円/売掛金25万円
<解説>
鈑金修理工場の立場からは、鈑金売上の30万円を誰から受け取るかの違いだけであり、
免責金額の有無は売上などには一切影響を及ぼしません。
事故を起こした側の経理処理(保険金を自分で受け取った場合)
①保険金入金時
現預金25万円/雑収入25万円(不課税)
②修理代金支払時
修繕費30万円(課税仕入)/現預金30万円
<解説>
保険会社から自身が保険金を受け取る場合には、雑収入(不課税)で処理し、免責分5万円を含めて修理代金を支払った際には、修繕費(課税仕入)で処理します。
通常通り「課税仕入」の修理を行ったうえで、その一部を「不課税」の保険金を補填してもらったと考えれば分かりやすいでしょう。
事故を起こした側の経理処理(保険金が保険会社から修理工場に支払われた場合)
①免責金額支払時
修繕費30万円(課税)/現預5万円
雑収入25万円(不課税)
<解説>
一般的にはこのケースが殆どだと思いますが、免責金額の支払い時以外にお金が動かないので、そのタイミングで振替伝票を1枚登録する方法が楽だと思います。
結果的には、上記の「保険金を自分で受け取った場合」と全く同じ着地になっているのが確認できます。
以上、今回の記事をお読み頂いてモヤっとした方は、今一度前回の記事をご確認いただければ幸いです。