今日から新年度です!
平成22年9月の開業以来、お蔭様で全国各地から様々なご依頼を頂く中、ここ数年は業務が手一杯で年間平均20~30件ほどの新規依頼をお断りせざるを得ない状況が続いておりました。
しかし今年度は業務の見直しを行い、一人でも多くの方のご期待に添えるよう努めていきたいと思います。
会計・税務にキチンと向き合い、事業発展・継続のために前向きに取り組むご意向のある方を積極的に応援し、優先して関与させて頂きますので、ぜひお問い合わせください。
という訳で、本日からは原則として毎日(いや…できるだけ毎日)、皆様にお役立て頂けるような実務記事(いや…どうでもいいクルマやバイクの記事)を更新します(いや…更新したいなぁと思っています)!
役員報酬の考え方
さて本題です。
サラリーマンから新規開業して法人を設立された方や個人事業を法人化された方にとって、一番最初に違和感を感じて頭を悩ませるのが「役員報酬」の存在です。
自分が設立した会社から社長である自分が給与(役員報酬)を貰う形になるので、確かに違和感があります。
しかも、その給与の額は事業年度が始まってから3ヶ月以内に決めないといけないというルール。
まぁ、そういうモンだと言ってしまえばそれまでなのですが、「儲けを会社と社長個人で分ける」という考え方をすると良いでしょう。
中古車販売で年間1,200万円儲けるとして、役員報酬を月50万円、年間で600万円に設定した場合だと、会社の利益は[1,200万円-600万円=600万円]となり、1,200万円の利益を会社と社長個人でちょうど半分ずつ分けた形になる訳です。
ざっくりとした解説ですが、詳細は自動車流通新聞さんで連載している今月号のコラム記事(4/25UP予定)に投稿しようと思いますので、そちらでご確認下さい。
中古車販売店「経営実務」のウソ?ホント?
http://www.mn-tax.jp/garage/goonet
役員報酬の金額設定
役員報酬の金額の決め方については、税負担などを考慮して設定する方法がインターネット上や関連書籍に数多く載っていますが、ここでは中古車販売業の方に推奨している私なりの考え方をご案内します。
1.設立~事業が軌道に乗るまで
設立して間もない期間で安定して利益が出る体制が整うまでの間は、自分自身(とその家族)が生活していくうえで最低限必要な金額を役員報酬として設定します。
設立直後は色々と出費も多く、自分自身の分身として決死の覚悟で設立した会社を育てていくための大切な期間ですので、なるべく多くの利益とお金を会社に残すようにしましょう。
2.事業が軌道に乗った後
事業が軌道に乗って安定的に利益が出せるようになってきたら、そこそこ贅沢が出来る金額を役員報酬として設定します。
せっかく会社の「代表取締役社長」になったのですから、ぜひぜひサラリーマン時代より、個人事業主時代よりも高収入を得て、良い暮らしをして下さい。
決して無駄遣いを推奨している訳ではなく、家族で美味しいものを食べたり、旅行に出かけたり、そんな素敵な日常が仕事へのモチベーションに繋がっていくものだと私は考えます。
ここでのポイントは、利益が大きく出せるようになったとしても「そこそこ贅沢が出来る金額」を維持することです。
利益の増加に合わせて役員報酬も高くしたい気持ちも良く分かりますが、ここはグッと我慢です。
税負担だけを考慮すれば役員報酬を高く設定した方が良いのかもしれませんが、会社は今まさに成長期にあるので、たくさん栄養を与えて、一気に成長させましょう!
3.ふと気がつけば…
前述の1、2の期間を過ぎて、会社の貸借対照表を見てみて下さい。
それはそれは素晴らしい財務体力のある会社に育っていることでしょう。
財務体力のある会社は、更なる利益を生み出します。
新店舗を出店して事業拡大も出来ます。
役員報酬を超贅沢が出来る金額に設定するのもアリです。
「税金が、税金が」「節税を、節税を」と目先のお金に囚われず、ここまで辿り着けば、色々な選択肢があり無限の可能性が広がるのです。
もちろん、税負担をしっかりと考慮することも大切ですし、会社の規模や後継者の有無などによって考え方も異なってきますので、ぜひ顧問税理士などと相談しながら会社を育てていって下さい。