法人から個人事業主に戻るのもアリって…
法人経営のメリット
個人事業主が法人経営にシフトすることを「法人成り」と言いますが、最初から法人を設立して事業を開始するケースも含めて、法人経営には様々なメリットが存在します。どの程度のメリットを享受することができるかはケースバイケースなので、ここでは詳しい解説は割愛しますが、一般的には「節税」「対外的な信用力の向上」「経営者のモチベーションアップ」といったメリットがあるとされています。
「税負担が重くなってきた」「自店の信用力を高めたい」「社長になりたい」と感じている個人事業主の方は、ぜひ一度、法人成りの検討をしてみてはいかがでしょうか。
法人経営の負担
法人経営を行うということはメリットがある反面、諸々の負担が大きくなります。例えば、個人経営ではご自身で確定申告をされている方も多いと思いますが、法人税の申告書は非常に煩雑であるため、税理士に顧問料を支払って依頼する場合が殆どです。決算申告以外にも一年を通して様々な手続きがあり、雇用に対する社会保険の取扱いが厳しくなるケースもあります。代表者としての責任もまた大きくなりますので、簡単に法人が設立できる時代だからこそ、簡単に考えることなく、慎重に検討したうえで法人を設立するようにして下さい。そして法人を設立する際には、事業目的をどうするか、株主や役員をどうするかなど、将来的なことも考えて決定すべき項目がいくつか存在しますので、必ず〝法人を設立する前〟に税理士に相談して下さい。
個人成りという選択
世間では「法人成り」「法人化」という言葉だけを頻繁に耳にしますが、法人経営をしていた事業者が、個人事業主に戻る(個人成り)ケースも存在します。法人経営による負担がそのメリットを上回ったとき、肩の荷を降ろして身軽に楽しく仕事がしたくなったとき、人生に「個人成り」という選択肢を追加してみて下さい。会社を解散させずに、休眠にしておくのもよいでしょう。個人成りは、決して後ろ向きな選択ではなく、次の道へと続く第一歩となるはずです。
コラム説明
この記事は、自動車流通新聞(グーネット自動車流通)さんで連載しているコラムの内容を転載したものです。
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