経営課題は解決するより見つける方が大変って…
できることから
中古車販売業を取り巻く経営環境はお世辞にも良いとは言えない時代が続いていますが、特に中小規模の中古車販売店では、販売店毎に大小様々な課題を抱えていることと思います。
そこで今回は、逆境を乗り越えるために「改めて見直すべこと」、そして「真っ先に取り組むべきこと」について考えてみたいと思います。
顧客管理の見直し
経営環境が良い時代というのは、一般ユーザーの購買意欲が高く、販売店側も広告宣伝に予算を投入することができるため、どんどん新規顧客が集まります。
しかし、この厳しい時代においては、新規顧客ばかりに期待するのではなく、既存顧客を大切にすることの重要性を再認識する必要があります。
「車検の案内ハガキだって出しているし、そんなこと分かっているよ」と思われる方が殆どだと思いますが、顧客管理については、他店が当たり前に行っていることに「プラスα」できるか否かが重要になります。
在庫管理の見直し
中古車を販売するためには、ある程度の在庫車両を保有する必要があります。しかし、在庫を持つということは、在庫費用が発生することになり、また、同じ車を長期にわたって在庫することによるイメージダウンも否めません。
動きのない長期在庫は、利益を度外視してでも手放した方が「吉」となるケースが意外と多いので、在庫の種類や保有期間などについては、常に見直しを行いましょう。
課題探しという課題
販売店毎に抱えている課題をクリアして、この厳しい時代を乗り越えるために真っ先に取り組むべきことは「課題を見つけること」です。
そのためには、自店の現状を把握し、分析することが必要となります。「車は売れているが、お金は残らない」という声をよく耳にしますが、そのような事態が起きる原因は何なのか、その答えは決算書類の中にあります。正しく会計処理を行い、適正に税金を計上することにより、決算書類というのは、単なる紙切れから様々な経営情報を提供してくれる存在へと変わります。価格設定が甘いのか、固定費を抑える必要があるのか、まずは現状分析を行い、自店の課題を見つけるところからスタートしましょう。
コラム説明
この記事は、自動車流通新聞(グーネット自動車流通)さんで連載しているコラムの内容を転載したものです。
自動車販売店の経営者や実務担当者が抱く経営・経理・税金に関する様々な疑問について、自動車業界専門の税理士が解説しておりますので、他のコラムをご覧になりたい方は、下記URLより一覧でご確認頂けます。
中古車販売店「経営実務」のウソ?ホント?
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