中古車販売店は間接業務を疎かにしても大丈夫って…
業務効率化の追求
企業経営において、経理・総務・人事といった裏方的業務のことを「間接業務」と呼びますが、中古車販売店においては、経理業務を中心としたこれらの間接業務が事業成功の鍵を握っているといっても過言ではありません。直接売上を生まない業務だからこそ、各業務を効率良く、スムーズに行うことを意識して、販売のサポートにつながるような仕組み作りを行うことが重要なのです。
便利機能の活用
間接業務を効率的に行うには、定型的な処理をパターン化し、車販ソフトだけでなく財務会計ソフトや給与計算ソフトなどをフル活用して、各業務の手間を無くしていくと良いでしょう。特に財務会計ソフトについては、「事前によくある取引を登録することができる機能」や、「以前にあった同様の取引を入力した伝票を複製する機能」などが備わっていますので、これらを積極的に活用することで、かなりの業務効率化を図ることができます。
事務コストの軽減
中古車販売店が業績を良くするためには、売上を伸ばせば良い訳ですが、間接業務を行う部署においても、事務コストを削減することで、業績向上の手助けをするという意識を持つことが重要です。利益というものは、売上から仕入と経費を差し引いて算出される仕組みとなっているのですから、この経費を減らすことは、業績向上の大きな貢献といえます。また、人件費そのものも固定費の中でかなりのウエイトを占める部分ですので、経営者は、間接業務を行う部署の人員が適切になるよう、しっかりとした業務量の見極めが必要となります。
悪化する経営環境
中古車販売店を取り巻く経営環境は、お世辞にも良いとは言えません。人材確保に手を焼いている経営者の方も多いと思います。確かに、営業マンの採用に力を入れて、広告やマーケティングに予算を割くことで、売上を伸ばすことはできるでしょう。しかし、それだけでは企業の体制や業績が安定することはありません。中古車販売店にとって厳しい経営環境だからこそ、間接業務の位置付けをいま一度見直してみてはいかがでしょうか。
コラム説明
この記事は、自動車流通新聞(グーネット自動車流通)さんで連載しているコラムの内容を転載したものです。
自動車販売店の経営者や実務担当者が抱く経営・経理・税金に関する様々な疑問について、自動車業界専門の税理士が解説しておりますので、他のコラムをご覧になりたい方は、下記URLより一覧でご確認頂けます。
中古車販売店「経営実務」のウソ?ホント?
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