営業マンのノルマは販売台数ではないって…
中古車販売店と経営目標
中古車販売店において、経営目標を設定することは、とても重要であることは言うまでもありません。目標設定に関する詳しい解説などは割愛させて頂きますが、経営目標は、中長期目標から順に、そして、数値面・人事面・環境面など様々な側面から設定し、定期的かつ臨機応変にメンテナンス(見直し)を行うようにしましょう。
経営目標とノルマ
経営目標と聞くと、真っ先に「ノルマ」という言葉をイメージする方が多いと思いますが、経営目標とノルマはイコールではありません。経営目標は〝目指すべき基準点であるのに対して、ノルマは〝目標を達成するために割り当てられる労働基準量〟を意味する言葉です。つまり、ノルマは、経営目標に到達するために課される労働量という訳です。
営業マンとノルマ
例えば、営業マンが1名だけの中古車販売店が、経営目標を月間売上台数10台に設定したとします。この店舗の来客成約率が20%だとすると、1ヶ月で50人(10台÷20%)の来客が必要となります。さてこの場合、この営業マンに課されたノルマは、月に10台の中古車を売ることでしょうか?いいえ違います。この営業マンに課されたノルマとは、50人の来客を達成するために行うべき営業活動の労働量を指します。具体的には、問い合わせ客や既存客への電話やEメールでの営業、知人への紹介依頼、ポスティングなどですね。
経営者の役目とは
経営者が勘違いして設定した販売ノルマに萎縮した営業マンは、セールスを伸ばすことができません。お店としての売上目標を達成するためにスタッフ一人ひとりが行うべきことを考えて伝えることこそが、経営者の役目です。そして、お店の売上目標の達成をスタッフ一丸となって目指すことができる環境を整えること、それが経営者の仕事であり、「経営する」ということなのだと思います。確かに、「クルマを売る」のは営業マンの仕事ですが、「クルマを売らせる」のは経営者の仕事であるということを忘れないようにしましょう。
コラム説明
この記事は、自動車流通新聞(グーネット自動車流通)さんで連載しているコラムの内容を転載したものです。
自動車販売店の経営者や実務担当者が抱く経営・経理・税金に関する様々な疑問について、自動車業界専門の税理士が解説しておりますので、他のコラムをご覧になりたい方は、下記URLより一覧でご確認頂けます。
中古車販売店「経営実務」のウソ?ホント?
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