ほんの出来心から、ホンダのZ50JEエンジンをポチってしまいました。
エンジン番号が「Z50JE-20~」で始まるいわゆる12Vモンキーのエンジンです。
ネットオークションで落札したのですが、出品者の方曰く、
「実働と聞いて中古取得してはいるが、自分で動作確認は行っていない」
とのこと。
怪しさ満点ですが、相場の半額程度だったので、ついうっかりポチってしまった次第です。
まずは、外観をチェックしてみます。
ジェネレーターカバーが加工されていてスプロケが剥き出しの状態なので、おそらくリアにワイドホイール(タイヤ)を装着していたのでしょう。
ドライブチェーンの当たりらしき損傷もあります。
ヘッドカバーのナットも社外品に交換されているので、スタッドボルトも純正長より少しロングの強化品かもしれません。
さらに、ハーネスは純正の6ピンのカプラーではなく、ギボシ端子に加工されていて、モンキー・ゴリラ以外の車種に流用されていたエンジンの可能性もあります。
何はなくとも腰上分解
このエンジンの生立ちを推測するのはこの辺にしておいて、取り敢えず腰上を分解してみましょう。
(分解の順番は特に拘っていないので、ご参考程度に。)
まず、タペットキャップを外します。
吸気側はこんな感じ。
排気側はこんな感じ。
特に問題なさそうです。
次に、ヘッドサイドカバー(右)を外します。
そうするとセンターのロングボルトで繋がっているヘッドサイドカバー(左)もポロリと外れて、カムスプロケットが登場します。
このカムスプロケットは2本のボルトで固定されているのですが、なぜか種類違いのボルトが使用されていました。
何だかジャンクエンジンの香りが漂い始め、嫌な予感しかしません。
ヘッドサイドカバー(左)の状態も、これで正解でしょうか??
なお、ここでカムチェーンのテンションを抜こうとした際に『最悪の事態』が発覚したのですが、その件はまた次回に。
気を取り直して、トップのヘッドカバーを外します。
そして、カムスプロケットを外したらヘッドを抜きます。
これでピストンの頭がこんにちは!しました。
ヘッドの状態はと申しますと、燃焼室は「まっくろくろすけ」で、
シリンダーとの間に対角線上(右上と左下)に入っているノックピンは固着して抜けませんでした。
このヘッド回りは、改めてオーバーホールしたいところです。
さて、ヘッドが抜けたので、カムチェーンのガイドローラーを外しつつ、
シリンダーも抜いてしまいます。
ピストンが頭を垂れるのを横目に、シリンダーをチェック。
実際に触ると段付きこそ無いものの、うっすら縦キズが見えます。
そしてそして、ピンクリップを外すのに手こずりつつピストンピンを抜いてピストンも外してしまいます。
外したピストンは…
モロに縦キズが入っていました。
さてさて、どうしたものやら。
次回は、今回発覚した『最悪の事態』について書きたいと思います。
<余談:純正ピストンのサイズと懐かしの円周率>
今回取外した純正ピストンの直径は39mm(ボア径39φ)でした。
つまり半径は19.5mmということになります。
このエンジンのストローク長は41.4mmなので、小学校のときに習った円周率を使って円錐体積を計算してみると…
『半径✕半径✕円周率3.14✕高さ(=ストローク長)』
『19.5mm✕19.5mm✕3.14✕41.4mm』
という算式となり、その答えは『49,431mm3(立方ミリメートル)』です。
単位を変換すると、
・1cc=1,000mm3
・1mm3=0.001cc
なので、
49,431mm3=約49.4ccということになる訳ですね。
ちなみに、排気量で使用される「cc」という単位は、英語の「cubic centimetre」の頭文字だそうで、和訳すると単純に「立方センチメートル」となります。
いや~、たまには算数の勉強を思い出すのも悪くないですね。
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