税金雑学というほどでは無いのですが、今回は「会計事務所の近代化」をテーマとして、会計事務所の裏側(中身なのでむしろ表側?)をご紹介します。
平均年齢が60歳を超えているといわれている税理士業界ですが、会計ソフトや税務システムの進歩のみならず、記帳方法やデータ保存方法なども昔とは比べ物にならないくらい進化しています。
もちろん、昔ながらのやり方でも申告書を作成することは可能ですが、効率性、正確性、検証可能性などの側面からは推奨できませんし、日々進化を遂げようとしている税理士業界において、昔ながらのやり方を変えない会計事務所があるとすると、それは所長先生の怠慢であり、その様な会計事務所が最新の税法や節税手法を取り入れ、お客様の為に提供できる訳がありません。
このブログ記事の中で「時代遅れな会計事務所」として例示させて頂きますが、ご自身の顧問税理士が、その特徴を有している疑いがあれば、私たちにご相談下さい。その税理士が「良い税理士」か「悪い税理士」か判断する為、無料で相談に応じます。
会計ソフトの汎用性が高くなりました
昔は手書き帳簿が一般的でしたが、現在では会計ソフトが普及し、パソコンで帳簿を付ける時代になりました。しかし、手書きの帳簿が悪い訳ではなく、パソコンが苦手な方や慣れている手書きの帳簿を続けたい方は、そのまま手書きの帳簿を続けて頂いて結構だと思います。
特筆すべきは、会計ソフトの導入率が上がったことではなく、会計ソフトの汎用性が高まった点です。
もう少し具体的に説明しますと、昔はお客様が自計化する際には、会計事務所と同じ会計ソフトを使う様に指示されていたかと思いますが、現在では会計ソフトの種類はは何だって良いのです。弥生会計でも、勘定奉行でも、PCAでも、一番お客様が使いやすい会計ソフトを選んで頂いて、会計事務所がそれに対応(会計事務所が導入している会計システムデータに変換して取り込む)する時代になったのです。会計ソフトの入力が難しい方は、エクセルに現金や預金の取引を記録して頂くだけでも十分で、私たちはそれを会計データへと変換して、お客様に残高試算表などの経営指標を提供させて頂きます。
もちろん、パソコンが苦手で手書きの帳簿を付けている方も、私たちが手書きの帳簿を効率よく入力し、残高試算表などの経営指標へと変化させます。
時代遅れな会計事務所
「うちは○×会計という会計ソフトを使っているから、あなた(お客様)も同じ会計ソフトに変えてくれ」と指示する会計事務所
OA機器の性能が抜群に上がりました
私たち税理士の業務は、OA機器に依存することが非常に多い職種です。
昔は、白黒のプリンターと大きなコピー機が事務所スペースを占有しているのが会計事務所の一般的な事務所レイアウトでしたが、現在の会計事務所のレイアウトは意外な程シンプルです。
パソコン、プリンター、コピー機などが小型高性能化したことも理由の1つですが、後述するデータの保存方法が変わったこともその大きな理由です。
私たちが扱う商品は、お客様へお渡しする決算申告書だったり提案資料である訳ですので、最新のOA機器をフル活用して美しい商品をお客様のお手元に届けることが、我々税理士の仕事だと考えております。
時代遅れな会計事務所
税務署から届いた申告用紙に印字印刷していて、数字と桝目がズレた申告書をお客様に返却している会計事務所
データの保存方法が変わりました
昔は、お客様に係る資料(確定申告書の控えや作業資料など)は、全て紙で印刷してファイルで保存し、事務所に置ききれなくなると、ダンボール箱にいれて倉庫へ保管するという流れが一般的でした。
しかし、会計事務所にもペーパーレス化の波が到来し、必要最小限(直近3年程度の重要書類)の紙(印刷物)を除いては、前述しました高性能OA機器の1つであるスキャナーを活用してデータ化し、クラウドサーバーなどに保存する様になりました。
そうすることで、お客様に係る大切な資料の安全性を確保するのみならず、過去のデータをいつでも引き出せる状況を作ることができるのです。
この辺りの考え方は、私たち会計事務所のみならず、自動車業界のお客様にもご活用頂ける内容となっていますので、ご興味がある方は、個別にご相談下さい。お客様に合った事業効率化の方法をご提案致します。
時代遅れな会計事務所
過去のことについて質問しても、資料がなかなか出てこない会計事務所
ちょっと余談
3つほど現在の会計事務所の特徴について書かせて頂きましたが、最後にちょっと余談を。
私たちは、お客様の大切なデータを取り扱う仕事をしておりますので、パソコンの処分にとても困ります。スキャナーで読み取ってデータ化した後の古い申告書などは、専門の業者にお願いして溶剤で溶かしているのですが、パソコンの場合には、そういう訳にはいきません。
つい先日も、Windows XP搭載のノートパソコンを2台処分したのですが、この作業が少し大変です。
通常であれば、メーカーに引き取りとデータ消去をお願いしてリサイクルに回すというのが一般的だと思いますが、私たちは、ハードティスクだけはメーカーにお願いせず、自分たちの手で破壊しています。
これが、パソコンから取り外したハードディスクです。
トルクスドライバーでさらに分解すると、中身はこんな感じです。
これを物理的にハンマーで破壊します。(木っ端微塵に飛び散ったので、破壊後の画像はありません。)
ドリルで穴を開けるという方もいらっしゃいますが、破片が飛び散って危険なので、布などで包んでハンマーで破壊しました。
以上、少しでも私たち税理士(会計事務所)の仕事ぶりを知って頂けたのであれば幸いです。