退職金はサラリーマンの特権だと思っていませんか?それは大きな間違いです。
私たちは、事業経営者こそ退職金を受け取るべきだと考えており、独立行政法人 中小企業基盤整備機構(以下、「中小機構」という)が運営する「小規模企業共済制度」への加入を積極的に推奨しております。
特に自動車業界(中古販売業、自動車整備業など)の経営者の方の場合、事業承継や現役引退後の生活について、早い段階から準備しておくことが重要であると考えておりますので、相続対策(相続税対策)や事業承継プランの設定と合わせてご検討頂くことを強く推奨致します。
小規模企業共済制度とは?
小規模企業の個人事業主が事業を廃止した場合や、会社等の役員が役員を退職した場合など、第一線を退いたときに、それまで積み立ててきた掛金に応じた共済金を受け取ることができる共済制度で、言わば国がつくった「経営者の退職金制度」です。
どんなメリットがあるの?
最大のメリットは、「節税をしながら現役引退後の生活資金や転業資金の確保ができる」点にあります。
効果的な節税
経営者や個人事業主であれば、節税の方法について検討したことがあるのではないでしょうか?この小規模企業共済制度では、掛金を払い込んだ分だけ所得控除を受けることができる為、個人事業主や共同経営者、小規模企業にとって効果的な節税することができます。
ダブル節税効果
小規模企業共済制度では、「掛金を払い込むとき」と「共済金を受け取るとき」の両方で節税効果を得ることができます。
<掛金を払い込むとき>
払い込んだ掛金(掛金は月額1,000円から7万円の範囲で自由に設定できます)は、全額が所得控除の対象となりますので、最大で年間84万円の所得控除を受けることができます。
<共済金を受け取るとき>
共済金を一括で受け取る場合には退職所得扱いに、分割で受け取る場合には公的年金等の雑所得扱いとなり、受け取るときも退職所得控除などのメリットを受けることができます。
節税以外のメリット
<共済金の受取方法が選べます>
共済金は、個人事業主や共同経営者、小規模企業の役員の方が事業を辞めたときや退職をしたとき、配偶者や子に事業譲渡をしたときなどに受け取ることがきます(任意解約も可能)が、この共済金の受取方法には、一括、分割(10年、15年)、一括と分割の併用という3種類があり、老後のライフプランにあわせて自由に選ぶことができます。
<事業資金等の貸付制度も利用できます>
一定の条件を満たせば、共済契約者が払い込んだ掛金の範囲内で事業資金等の貸付けを受けることができます。
また、無担保および無保証人で貸付けを受けることができる為、災害時など想定外のケースに活用したり、事業拡大や新規事業立上げなどの新しいチャレンジに役立てることができます。
運営は大丈夫なの?
小規模企業共済は、昭和40年に制定された小規模企業共済法に基づいた制度で、国が全額出資している中小機構が運営しています。共済契約者の方からお預かりしている掛金とその運用収入は、すべて共済契約者に還元される仕組みで、制度の運営経費は、全額国からの交付金により賄われていますので、安心・確実な国の共済制度といえます。
どうすれば加入できるの?
中小機構と委託契約をしている全国の金融機関、商工会、商工会議所などが加入窓口になっていますが、私たち税理士も税理士協同組合を介して加入手続きを行うことができる為、節税プランや事業承継プランとの兼ね合いから、ご加入の前には、必ず顧問税理士に相談されることをオススメします。
ちなみに、私たち税理士も退職金の無い事業経営者ですので、税理士酒井将人、税理士相川奈緒ともに、開業時より小規模企業共済に加入しております。
やっぱり、老後の生活が心配ですから…。