あるところに、スバルの水平対向エンジンに惚れ込んだ青年がいました。
しかし、彼の父親はトヨタ自動車に勤務しており、彼はトヨタ車以外の購入を許されませんでした。
そんなある日、トヨタ自動車が富士重工業(スバル)と共同開発した、FRレイアウトのスポーツカー「86(ハチロク)」が誕生しました。
この車は、富士重工業が生産(水平対向エンジン搭載)、トヨタ自動車が販売するという 彼にとっては願ったり叶ったりのシチュエーションであり、彼がトヨタディーラに駆け込んだ のは、言うまでもないでしょう。
そして、彼は父親の面目を保ちつつ、晴れて水平対向エンジンのオーナーになることができました。めでたし、めでたし。
※ちなみに、スバルからは、86とはヘッドランプ・フロントバンパーや内装デザインなど を異にして、「BRZ」という車名で販売されております。
さて、そんな実話はさておき、今回は、「86×BRZ」のような姉妹車(兄弟車)について 書きたいと思います。
~姉妹車とは~
姉妹車とは、「バッジエンジニアリング」と呼ばれる販売手法を用いて、外観の一部を変更して 複数のブランドあるいは複数のメーカーの製品として販売される車種をいう。 なお、このうち複数のメーカーから販売される物は「OEM車」とも呼ばれる。
私たち世代としては、やはり「シルビア×180SX(ワンエイティ)」が真っ先に頭に浮かびますが、皆様はいかがでしょう。
姉妹車の改造(ドレスアップ)として「顔面スワップ」が大流行したのも、今となっては懐かしく思います。
180SXのボンネットより前の部分をシルビアの部品に交換した「シルエイティ」や、 その逆で、シルビアのボンネットより前の部分を180SXに交換した「ワンビア」などは 一般的ですが、私が中古車販売をしていた頃は、「ロレエイティ(*)」なる顔面スワップも ございました。(もはや、姉妹でも兄弟でもない車種同士の組み合わせです…)
(*)180SXのボンネットより前の部分をローレルの部品に交換したもの
いずれにしても、タイヤが4つあって走ることができれば「車」であることには間違いないのですが、常にちょっとした「遊び心」を持つと、車というものは、楽しいものになると思います。
写真は、トヨタ公式HPより