少し前のお話になるのですが、梅雨の晴れ間を狙ってオートレース発祥の地である「船橋オートレース」に行ってきました。
昨年夏にその廃止が公表された「船橋オートレース」ですが、現地でその魅力を肌で感じて思いました!
「船橋オートレースはまだまだ熱い!!」
ただ残念なことに、経営が上手ではない印象を受けました。
もっともっと早い段階で、経営を見直して、集客努力を行っていれば「廃止」という決断には至らなかったのでは…と。
ついつい経営状態について詮索してしまう税理士の悪い癖が出てしまったところで、あまり馴染みのない方が多いかと思いますので、そもそも「オートレース」とはいったいどういうものなのか、簡単にご紹介させて頂きます。
オートレース基礎知識Q&A(公式HPより)
Q レースは何台の競走車で、コースは何周するの?
A 基本的には8車でコースを左回りに6周してスピードを競い合います。競走車には、観客が見やすいように1番から8番までの車番がついており、選手個々によって違ったカラーリングがされています。
Q オートレースはいつ、どこでやってるの?
A 全国6ヵ所(伊勢崎・川口・船橋・浜松・山陽・飯塚)のオートレース場で開催されています。1回の開催日数は、原則8日間ですが、連続8日間レースがあるわけではありません。1開催は4日+4日、3日+5日(5日+3日)のいずれかを1単位とする節で開催されて、節ごとにトーナメントを行い優勝者を決定します。レースは1日に1レースから12レースまであり、選手の出走は1日1回のみのため、通常は8車×12レース=96名が参加する事になります。
Q レース場の広さはどのくらい?
A オートレースの舞台となる競走路は、1周500m、幅30mで、走路は内側に少し傾斜しています。これはハイスピードでもコーナーを回りやすくするという目的もありますが、選手が高度なテクニックをフルに発揮して面白いレース展開になるように工夫した結果でもあります。レース場を初めて見る人の中には「狭いコースだなぁ…」と思う人もいらっしゃるかと思いますが、スタートからゴールまでレースの全てを見渡せるこの狭さは、ファンにとってはたまらない広さだといえます。
Q どのくらいのスピードがでるの?
A 直線部で150km、コーナーで90km、平均で105kmといわれています。
この極限スピードでの激しいバトルには誰もが圧倒され、「走る格闘技」と呼ばれています。
オートレースの競走車と市販のオートバイとの違い
オートレースの競走車は、走るために不必要なものは一切装備されていない独特のスタイルをしており、エンジンの調整・整備は個々の選手に委ねられているので、その調整次第で性能も勝敗の行方も大きく変化します。
ちなみに、現在オートレースで使用されるエンジンは、「セア(Super-Engine of Auto Race)」と呼ばれるスズキ製の600ccエンジン(新人選手は排気量の小さい500ccエンジンを使用)に限定されています。
ここで、競争車の特徴点をご紹介したいと思います。
ブレーキがない
オートレースは接近戦で行われ、急なブレーキ操作は追突事故の原因となってしまうため、ブレーキは備え付けられておりません。その代わりに、キャブレターにはアイドリング機能がなく、シャッターが完全に閉じるためエンジンブレーキの効きは強力になっています。
左右でハンドルの高さが違う
オートレースでは、コースを左回りで終始傾斜させ走行します。
よって、ハンドルが路面と水平になるようにして安定性を向上させるために、左側のハンドルが高くなっています。
計器類がない
メーター、ランプ類など、競走に必要ないものは取り除かれています。
なお、セルモーターや始動キックペダルも装備されていないので、エンジンの始動は押しがけで行われています。
2段変速トランスミッション
ローギヤでスタートし、トップギヤに入れ替えたら、あとはアクセルワークによる加減速のみとなります。トップギヤのパワーバンドは、時速50km~150kmと非常に広いためにコントロールには細心のテクニックが要求されます。
三角タイヤ
カーブでの接地性をよくするため、タイヤの断面は三角形をしています。雨天用の特別なタイヤはなく、トレッド部の高いものを「雨天用」、低いものを「晴天用」として使用するほか、寒冷期には、ブロックパターンはそのままでゴムの発熱性を高めたものを前輪に使用しています。なお、タイヤの寿命は3~4レースといわれております。
その他、ダイヤモンド型フレームや独自のサスペンション構造など、まだまだ特徴点はあるのですが、この辺で止めておきます。
いざスタート
何だか解説が長くなってしまいましたが、レースの方はと申しますと、『迫力満点』でした!
ただ残念なことに、なかなか文章と写真でオートレースの魅力をお伝えするのは困難でして、ご興味がある方は、ぜひお近くのオートレース場に足を運んでみて下さい。
そしてもう一つ残念なことに、私が購入した車券(勝車投票券)は、紙屑となりました。笑
写真:夢と希望が詰まったチケットから紙屑へと変わってしまったレース後の車券