少々過激なタイトルになりましたが…
漫画・アニメ「進撃の巨人」の中でミカサ・アッカーマンは言いました。
『この世界は残酷だ…そして…とても美しい』
と。
そして私は言いました。
『この世界は不公平だ…そして…とても意地汚い』
と(笑)
こう‐へい【公平】(goo辞書より)
[名・形動]
すべてのものを同じように扱うこと。判断や処理などが、かたよっていないこと。また、そのさま。「―を期する」「―な判定」
ふ‐こうへい【不公平】 (goo辞書より)
[名・形動]公平でないこと。片寄りがあること。また、そのさま。「―な扱いを受ける」
新型コロナウイルスの感染拡大によって、各種給付金やキャンペーンに関する報道が増え、1つの事実が明るみに出ました。
それは、『この世界は不公平だ』ということです。
しかし、これは何も新型コロナウイルスの影響によって生じた不公平ではなく、もともとこの世界は不公平だったのです。
私のような平凡な暮らしをしている人間でも不公平に感じることは沢山ありますが、今回はその中でも「我が国の税金」に関する不公平について考えてみたいと思います。
所得税の不公平
我が国の所得税は累進課税となっています。
累進課税というのは、課税対象となる金額の大きさに応じて、税率が変わる課税方法で、課税対象の金額が大きければ大きいほど、税率が高くなります。
つまり、低所得の人は税率が低く、高所得の人は税率が高くなる仕組みです。
とある低所得の人は「そんなの当然だ!」と言いました。
一方、とある高所得の人は「何で俺だけ高い税金を納めないといけないんだ!」と言いました。
どちらも正論ですが、意見が食い違っています。
この段階で、もはや「公平」というゴールに辿り着くことはできませんね。
消費税の不公平
我が国の消費税は、一律10%(軽減税率は8%)です。
これぞ「公平」って感じですよね!?
って、本当にそうでしょうか?
消費税は、その名の通り「消費」に対して課税がされる仕組みになっていますが、高所得の人が必ずしも消費が多い訳ではないので、収入に対する消費税負担の割合は、低所得の人の方が多くなります。
とある高所得の人は「そんなの当然だ!」と言いました。
一方、とある低所得の人は「これは弱い者いじめだ!」と言いました。
どちらも正論ですが、意見が食い違っています。
これも「公平」というゴールに辿り着くことはできません…。
相続税の不公平
我が国の相続税は、所得税と同様に累進課税となっています。
財産が多ければ多いほど税率が高くなるのは所得税と同じですが、一定の基礎控除が設けられているため、ある程度の財産が無い人は、申告義務すらありません。
とある財産がない家系の人は「そんなの当然だ!」と言いました。
一方、とある資産家の家系の人は「何で俺達だけ高い税金を納めないといけないんだ!」と言いました。
どちらも正論ですが、意見が食い違っています。
はい!お決まりの「公平」というゴールに辿り着くことができないパターンです。
公平アピールではなく誠意ある説明
ざっくりと「我が国の税金」に関する不公平について書いてきましたが、そもそも「公平」な課税を実現することなんて不可能なのです。
そして、そんなことは誰しもが分かっています。
よく、マイナスの事実を伝える際に言い訳がましい人っていますよね?
特に政治家の方に多い印象ですが、正直に誠意を持って話せば伝わることでも、自分を正当化するのに必死で、言い訳がましく聞こえるアレです!
まぁ、後ろめたいことがある人ほど、そんな話し方になるのでしょうが(笑)
私が日本で一番偉い人なら、こう説明します。
「高所得の皆様、この国を支えていくためにはあなたたちの力が必要です。だから、税負担が大きくて申し訳ないけど、ぜひ協力して頂きたい!」
「低所得の皆様、色々と大変でしょうから税負担は低くさせて頂きます。でも、皆様の暮らしを支えて下さっている高所得の方々への感謝の気持ちを忘れないようにしましょう!」
「すべての皆様、一人ひとりが自分の出来ることに全力で取り組んで、一緒にこの国を豊かにしていきましょう!」
つまり、公平でもないのに「公平、公平」と言われるから反発があるのであって、最初からキチンと誠意を持って伝えれば、受け手の考え方も変わってくるのだと私は思います。
まぁ、そもそも私が「日本で一番偉い人」にはなれないですが(笑)