「決算」と「申告」は同じ意味って…
決算と申告は違うモノ
実務においては、「決算申告」という言葉が良く使われますが、この「決算」と「申告」の内容は、全く別モノですので、これらは分けて考えておく必要があります。そこで今回は、この「決算」と「申告」それぞれの内容を整理し、実務担当者が年に1回のイベントである決算業務を効率的に行うためのポイントをご紹介します。
決算って誰がやる?
日々の経理業務の集大成として決算数値を確定させることを「決算」と言いますが、この決算作業は、会社自身で行うケースと税理士が行うケースの2通りがあります。経理担当者がいたり、経営者自らが経理を行っている会社の場合には、自社で決算作業を行うケースが殆どです。一方、日々の経理を税理士に丸投げし、記帳代行を依頼している会社の場合には、決算作業は税理士が行います。
なお、決算作業で確定させた決算数値を基に、税金計算をし、申告書を作成・提出することを「申告」と言いますが、この申告作業は、原則として税理士が担当します。
決算仕訳の役割分担
決算業務を効率的に行うためのポイント1つ目は、会社と税理士との役割分担を明確にすることです。決算数値を確定させるために追加する仕訳(=決算仕訳)の中には、会社が行うべきもの、税理士が税金計算に伴って追加すべきもの、そしてどちらが行っても良いものが存在し、これらの役割分担と処理スケジュールを事前に決めておくことで、効率良く決算業務を進めることができます。
決算業務のルーチン化
決算業務を効率的に行うためのポイント2つ目は、決算業務を年に1回のルーチン業務と捉えることです。まずは、日々行うこと、月次で行うこと、年次で行うこと、それぞれの業務を棚卸して、書き出してみて下さい。日々の業務が、そして月次の業務がきちんと行われていれば、決算業務として行う処理がとてもシンプルで少ないことにお気づき頂けると思います。
節税対策と決算予測
決算業務に関連して、皆さまが最も興味があるのが「節税対策」だと思いますが、この節税対策というのは、決算日(事業年度末)までに実行する必要があるものが殆どです。つまり、効果的な節税対策を行うためには、決算日より前に決算数値を予測し、その決算見込に基づいて、対策を練る必要があるのです。節税対策を行うか否かに関わらず、スケジュールに余裕をもって決算業務を行うこと、これを決算業務を効率的に行うための3つ目のポイントとして挙げさせて頂きます。
コラム説明
この記事は、自動車流通新聞(グーネット自動車流通)さんで連載しているコラムの内容を転載したものです。
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