中古車販売の経理は煩雑って…
中古車販売の業種
中古車販売は、一般消費者に対して商品としての中古車を販売する取引ですから「小売業」に該当します。
そして、これに付随して納車整備や登録業務の依頼を受ける形となるので「サービス業」としての業務も生じます。
「何をいまさら」と思われた方もいらっしゃると思いますが、日々の経理処理を行うにあたっては、自身がどういう業種の処理に携わっているかを再認識することは非常に大切なことです。
中古車販売の特有処理
中古車販売の経理処理というのは、確かに業界特有の取引が多く、会計の知識と経理の実務経験がある方でも、頭を抱えてしまうことが少なくありません。
しかし、どんな業種であっても多少の特有処理は必ず存在しますので、中古車販売の経理処理だけが極端に煩雑であるということは決してございません。
取引の内容とお金の流れをきちんと把握し、経理処理の仕組みを作ることにより、特殊に思えた中古車販売の経理処理も、一般的な業種の経理処理と同じように処理することができます。
中古車販売と複合取引
複合取引とは、異なる種類の取引を同一の契約書などで締結している取引のことをいい、中古車販売は、正にこの複合取引に該当します。
そして、この複合取引こそが「中古車販売の経理処理は、煩雑で難しい」というイメージを世間に定着させている要因といえます。
例えば、1台の中古車の売買が成立し、注文書を取り交わしたとしましょう。この1枚の注文書の中には、「車を買います」「納車整備と登録業務をお願いします」そして「自動車保険に加入します」といった様々な取引内容が混在する結果となります。
こうした複合取引は、各個別取引に分解して考えることが重要です。ローン販売であろうとも、下取り車があろうとも、残債の処理が絡もうとも、1つ1つの取引をしっかりと把握して丁寧に処理してみて下さい。これまで煩雑に思えた中古車販売の経理処理が、とてもシンプルなものに変わるはずです。
コラム説明
この記事は、自動車流通新聞(グーネット自動車流通)さんで連載しているコラムの内容を転載したものです。
自動車販売店の経営者や実務担当者が抱く経営・経理・税金に関する様々な疑問について、自動車業界専門の税理士が解説しておりますので、他のコラムをご覧になりたい方は、下記URLより一覧でご確認頂けます。
中古車販売店「経営実務」のウソ?ホント?
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